2011年1月1日

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

2010年冬のヨーロッパは、12月としては珍しい大雪と寒波に襲われました。元日のミュンヘンも雪に覆われています。 また去年のヨーロッパは、ギリシャとアイルランドの公的債務問題で大きく揺れました。ユーロにとって導入以来最大の試練は、まだ終わっていませ ん。ポルトガルやスペインにも危機が飛び火するのかどうか、通貨当局と各国政府は固唾をのんで見守っています。

ところで今年は日本とドイツ(正確にはプロイセン)が修好通商条約を結んでから150年目にあたります。日独で様々な文化行事が予定されています が、私はこれにちなんで先月新潮文庫から「あっぱれ技術大国ドイツ」という本を出しました。20年前にドイツに来ましてから11冊目の本になりま す。

ドイツは、日本と並ぶ物づくり大国です。日本のように凝り性の職人さんも沢山います。しかしこの国の物づくり文化に は、知られていない面が色々あります。ドイツの中規模企業の間には、特定の製品について世界のマーケットシェアの70%から80%を制覇 している無名の会社が数多くあります。たとえばドイツ南西部のあるミニ企業が、世界中の有名な歌劇場のオペラ・カーテンの大半を作ってい ることをご存知ですか?しかもこれらの中規模企業は、ドイツ経済の中で大きな役割を果たしているのです。また物づくりだけではなく、ドイ ツ人の国民性や歴史にもメスを入れています。私が描いたイラストも掲載しました。

皆様にとりまして2011年が良い年となります ことを、心からお祈り申し上げます。お元気でお過ごし下さい。

熊谷 徹


追伸 本の執筆などのためにHPの更新が遅れてしまい誠に申し訳ございませんでした。
今年は頑張って書きますのでよろしくお願い申し上げます。